お客様が「しかたなくやっている」ことを明らかに~成熟市場で新たなビジネスチャンスを生み出すには~
- akikoobata
- 5月23日
- 読了時間: 4分
こんにちは。長年、大手自動車メーカーで新しい事業機会の創出や業務改善に携わってきた福山です。
いまや、なんでも手に入る便利な社会。しかし、成熟市場では競争が激しく、事業を広げるのが難しくなっています。今回は、成熟市場で新たなビジネス機会を生み出し、事業の成長につなげる方法について考えてみます。
「しかたなくやっていること」に着目
すでに確立された市場でさらに事業を拡大するには、革新的な技術が必要とされています。トレンドをつかみ、それに乗りながら新たな技術を生み出すことでイノベーションが実現します。しかし、既存のビジネスを抱えながらこれを実行するのは容易ではありません。
そこで、今のお客様が 「諦めて、しかたなくやっていること」 に目を向けると、まったく異なる市場の可能性が見えてきます。
新規事業をつくるには、顧客の「ペイン(悩み)」を解決することが重要だと言われます。しかし、すでに認識されているペインには対策があり、多かれ少なかれ解決手段が存在しています。そのため、特別な強みがない限り、過当競争に巻き込まれてしまいます。
「諦めて、しかたなくやっていること」 は、ペインがあることで発生します。しかし、妥協しながら代わりの方法を選んでいるため、表面化しにくく、解決策が存在しないケースも多いのです。
アパレル店舗で起こっていること
アパレル店舗の例
お客様のペイン:お店に行っても欲しい商品がない
諦めてしかたなくやっていること:違う商品を買う、また来店する、別の店舗やオンラインで探す
ペインの解決策として、違う商品を勧めることは一般的ですが、お客様は単に妥協しているだけで、本当に欲しいものを買えているわけではありません。では、「欲しい商品がいつでも店頭にある」 状態をつくることができたらどうでしょうか?
店舗とオンラインの在庫最適化による新たな価値
オンラインショップでは「欲しい商品が、欲しい時に、適正価格で買える」環境が整いつつあります。しかし、実店舗ではまだ課題が多く、売り逃しや在庫の偏りによる機会損失が頻繁に発生しています。
そこで、私たちは Onebeat というソフトを開発しました。オンラインの販売データと店舗の在庫状況を統合し、リアル店舗もデジタル店舗も含めて シームレスに在庫を管理 することで、チェーン全体で最適な補充・配分を実現します。
さらに、「売り逃し率」を可視化し、これをほぼ 0% に近づけると同時に、限られた在庫を 売れる場所へ的確に配分し、必要なタイミングで補充 できる仕組みを確立しました。
このプロセスの中で重要なのが、在庫の「シグナル」を正しく読み取ることです。 店舗の担当者であれば、「この商品の売れ行きがよくなってきた」「この商品は動きが鈍くなってきた」といった感覚を持っています。しかし、それを 全品番・全色・全サイズの規模で把握し、ノイズを除去した上で、データとして活用することは容易ではありません。
ここで活躍するのが 計算マシンAI です。膨大な販売データと在庫情報を解析し、どの商品が売れ始めているのか、どの商品が停滞しているのかをリアルタイムで把握 することで、最適な補充判断を可能にします。人の感覚に頼るのではなく、すべてのアイテムを均等に管理しながら、機会損失を防ぐ精度の高い在庫管理を実現しています。
導入企業では、・売上が15%UP・在庫を33%削減・利益が2倍に!
さらに、店員さんの負担だった在庫カウントや再配分作業を 30分以内 の簡単な作業に短縮!お客様の「諦めてしかたなくやっていたこと」を解決すると同時に、店舗側の課題も取り除くことができます。一石二鳥どころか、三鳥にもなる 仕組みです。
店舗とオンラインの在庫管理を統合し、新たな価値へ
Onebeatを導入すると、リアル店舗とオンラインショップの両方を統合的に管理し、・売り逃しをゼロにする・過剰在庫をなくす・適正価格で販売できる環境を構築する
ことが可能になります。
すでに導入いただいたアパレル企業では、ROI 3~6倍 を達成。家電メーカーでは、即納体制が整い、余剰在庫がなくなり 店頭値引きをゼロに できました。
在庫管理の新たな形で、企業の成長を支援する
Onebeatはまだ始まったばかりの考え方ですが、「店舗もオンラインも、適正な在庫管理によって本当に欲しいものを、欲しい時に、適正価格で届ける世界」 を目指しています。
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