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AIで文章を書くのってアリ?

――「誰でも書ける時代」に必要なのは“視点”の力

「AIで文章を書くなんてズルじゃない?」

そんな声を、最近よく耳にするようになった。確かに、今のAIはすごい。ブログ記事、レポート、SNS投稿、メール文……何でもサクッと書いてくれる。キーワードを入れるだけで、あっという間に“それっぽい”文章ができあがる。便利すぎて、少し怖くなるくらいの時代になった。

でも一方で、「それって人としてどうなの?」「手抜きなんじゃない?」と感じる人もいると思う。自分の頭で考えて、自分の手で書くことにこそ価値があるんじゃないか。そんなふうに、少しモヤモヤしている人も多いのではないだろうか。

今回は、「AIで文章を作るのってアリなのか?」というテーマについて、ゆるく、でもちょっと真面目に考えてみたい。

 

「書く」って、そもそも何だろう?

まず考えたいのは、「書く」ってそもそもどういう行為なのか?ということ。よく、「文章を書くのが苦手」という人がいるけれど、それってたぶん“きれいな言葉を並べること”が苦手という意味だと思う。でも、文章って単に日本語が正しくて文法が整っていればOKというわけではない。

本質的には、「書く=考える」こと。自分の中にあるモヤモヤや意見、観察したことを整理して、他人に伝わるかたちに変換していく。それが「書く」という行為だ。

だから、どんなにAIが言葉を整えてくれても、その中に“自分の問い”や“思い”がなかったら、ただの文章の形をした情報でしかない。つまり、読む人の心には届かない。


AIは「敵」じゃない。むしろ「道具」だ。

では、AIを使うことは「ずるい」のか?

答えはノーだと思う。なぜなら、AIは「道具」に過ぎないから。

たとえば、プロのカメラマンがスマホで撮った写真でも素晴らしいものがあるし、イラストレーターがデジタルツールを使っても、それは「ずる」でも「手抜き」でもない。大事なのは、その道具をどう使うかという“センス”や“目的”だ。

AIも同じ。何を書きたいのか、誰に届けたいのか、その「意図」が自分の中にちゃんとあれば、AIはそれを支える最高のアシスタントになる。

むしろ、文章をゼロから全部一人で書くより、AIに構成を出してもらったり、表現を整えてもらったりすることで、よりクリアな言葉に近づけることができる。そう考えると、AIは文章の“共作者”として、とても有能な存在だ。

 

「何を書くか」が最大の価値になる時代へ

AIが文章を書ける時代において、ますます問われるようになるのが、「何を書くか?」というテーマの選び方だ。

かつては、語彙力や文法力、構成力といった“技術的なスキル”が文章の価値を決めていた。でも今は、誰でもAIを使えば“それっぽい”文章は書ける。つまり、「どう書くか」は、ある程度均質化されてきたのだ。

そこで差がつくのが、「なぜそれを書くのか?」「そのテーマを選んだ理由は?」という部分。ここにこそ、その人の個性や、視点のユニークさ、経験がにじみ出る。

たとえ文章が少し雑でも、「そのテーマ、ちょっと考えてみたくなるな」と感じさせる力があれば、読者の心に届く。逆に、いくら整った文章でも、テーマが薄ければ読み飛ばされて終わってしまう。

今の時代、問いの立て方が文章の価値そのものになっている。


「苦労して書く=正解」じゃない

「文章は苦労して書くべきもの」「時間をかけてこそ意味がある」そんな考え方も根強くある。でも、それってもう少し前の価値観かもしれない。

もちろん、試行錯誤しながら書いた文章には重みがある。でも、それだけが正しいわけではない。良い道具があるなら、うまく活用するのはむしろ賢いやり方だ。問題は、“楽すること”ではなく、“考えることを放棄すること”。

AIを使っても、「これは誰に向けた文章か?」「どんな価値を伝えたいか?」を自分で考えていれば、それは立派な創作だ。逆に、そこを考えずにAIに丸投げするだけでは、どれだけ整った文章でも「薄い」と感じられてしまう。


「問いを持つ力」が、これからの武器になる

これからの時代に必要なのは、文章を書くテクニック以上に、「問いを立てる力」だと思う。

「これってどうなんだろう?」「誰も言ってないけど、もしかして…?」という疑問から、テーマが生まれ、言葉が生まれる。そしてそのプロセスは、いまだAIにはできない、人間の“感覚”や“直観”に根ざした作業だ。

だから、AI時代において文章を書く価値は、「何をどう伝えるかを考える」ことそのものにある。これは、どんなに技術が進歩しても変わらない、人間にしかできない創造の部分だ。


まとめ:AIと一緒に、「自分らしい文章」をつくろう

AIで文章を書くことは、ズルでも、手抜きでもない。むしろ、視点や問いを持っていれば、最高の共創パートナーになる。

これからの時代に問われるのは、「どう書くか」ではなく、「なぜそれを書くか」「何を伝えたいのか」という“視点の力”だ。そして、その視点があるからこそ、読まれる文章になる。

AIに「すべて」を任せるのではなく、自分の言葉で「一緒に考える」。そんな付き合い方ができれば、文章はもっと面白く、もっと自由になる。

誰でも書ける時代だからこそ、誰が書いたかより、何を考えたかが、あなたの強みになる。


 
 
 

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