在庫日数固定法
■「Days of Coverage(在庫日数固定法)」とは?
「在庫日数」は、現在の在庫量が、過去の平均販売ペースに基づいて何日分持つかを示す指標です。
英語では "Days of Inventory Coverage" や "Inventory Days on Hand" とも呼ばれます。
計算式:
在庫日数(Days of Coverage)= 現在の在庫量 ÷ 1日あたりの平均販売数
たとえば、在庫が500個あり、1日平均で50個売れるなら、在庫日数は10日です。
■長所(メリット)
分かりやすく、直感的
「あと何日持つか」が明確なため、現場でも意思決定に使いやすいです。
過剰在庫や在庫切れの予兆が見える
理想的な在庫日数と比較することで、どの商品が余っているか、不足しているかを簡単に把握できます。
販売速度を考慮できる
単純な在庫数量ではなく、販売ペースに応じた管理ができます。
部門・店舗間比較がしやすい
標準化された単位なので、異なる拠点でも横比較が可能です。
■短所(デメリット)
需要変動に弱い
過去の平均販売数に基づいているため、急なプロモーションや季節変動には対応しづらい。
新商品や、販売がめったに起こらな い場合には使いにくい
販売実績が少ない、またはゼロの新商品には適用できません。
小売店舗における、洋服、靴、メガネ、住居用品、カー用品など多くが該当します
補充リードタイムを考慮しない
納品までに時間がかかる場合、日数だけではリスク判断が不十分なこともあります。
何日に設定すべきかは、人の判断になる
属人性があることで、在庫のコントロールが思ったようにいかず、過剰在庫を生んでしまうことがあります。
平均値の落とし穴
販売に波がある商品だと、平均だけ見て判断すると在庫切れや余剰につながりやすいです。また、変動が大きな商品では、いわゆる「ブル・ウィップ効果」によって急な増産、急な減産を繰りかえす元凶にもなります。
■まとめ
項目
内容
定義
現在の在庫が何日分持つか
長所
視覚的に分かりやすい、比較しやすい
短所
需要変動や新商品、リードタイムに弱い