機会損失
定義: 本来得られたはずの売上や利益を、在庫・人員・オペレーションなどの不備によって取り逃すこと。POSには表れず、経営にとっても「見えない赤字」。
ワン!ポイント!
機会損失の影響は大きい。そもそも 小売における最大の制約は「客数」である。 客数を決める、立地や天候、時間帯はコントロールできない。だからこそ、来てくれ た顧客を一人もムダにしないことが、売上・利益に直結する。
だが実際には、売れ筋の欠品・在庫の偏在・接客対応の限界などにより、来店客を逃している場面が多くある。
さらに、「在庫が復活したらまた来ます」と言った顧客の多くは、実際には競合店で購入し、戻ってこないという研究もある。 なぜなら、ほしい商品が手に入らなかった時点で期待を裏切られ、ロイヤリティが失われ、次の来店意欲そのものが消えるからである。これに対して 「接客力でカバーしているから大丈夫」という声もきこえるが、実際にスタッフと接点を持つのは一部のロイヤルカスタマーのみ。 さらに、採用難やコスト削減で人員が限られた現場では、すべての来店客に対応することは不可能に近い。
典型的な機会損失:
● 売れ筋商品の欠品
● 在庫の偏在(売れる店舗で 足りず、売れない店舗で余る)
● 応対不能(レジ待ち離脱、質問未対応)
● 地域に合わない商品展開
人に頼らず、在庫・補充・売場の構造設計で取りこぼしゼロを目指すことで、機会損失はなくなり、売上、利益は大きく延びていく。
Onebeatは、機会損失額を数値化し、その問題点や改善を可視化できる。 この数値化には、TOC(制約理論)が提案する「スループット・ダラー・デイズ(Throughput Dollar Days)」の考え方を採用。 具体的には:
機会損失額 = そのアイテムの売上の重さ × 欠品日数
つまり、売れる商品が、売れる期間に棚になかった損失がどれだけ大きいかを金額で把握で きる。 これにより、経営判断の精度が飛躍的に高まり、見えなかった損失を「改善可能な問題」に変えることができる。