ベーシックカジュアルSPA型
―“地味さ”こそ最強の戦略。
ベーシックカジュアルSPAはアパレルチェーン用語です。発想はアパレル以外でも利用可能です。
「ベーシックカジュアルSPA型」と聞くと、「ああ、ユニクロとか無印のアレね」とピンとくると思います。見た目は地味ですが、強力なビジネスモデルです。
このモデルのキモは「製造小売」です。企画・生産・販売をすべて自社で完結する垂直統合型です。問屋も商社も外部デザイナーも挟みません。「最初から最後まで自社でやるのはコストを下げたいのでは?」と思われる かもしれませんが、これは、“全部自分で責任持つ”ということです。
派手なデザインや流行モノは、当たれば大きいけれども外れも多いです。一方、ベーシックは「外さない」ことが重要です。
白T、チノパン、シャツ、カーディガン――毎日必要、誰でも着られる、どの季節にもそこそこ売れる。この“売れる平均点”を、高い精度で量産する。それがこのモデルのコアです。
このモデルは、実はとても高度なことをやっています。
“普通の服”を“安定的に売る”には、商品企画、在庫管理、需要予測、価格設計、サプライチェーンのスピード、販促の一貫性の全部が連動していないと、「ただの地味で売れない在庫の山」になります。
しかも、ベーシックアイテムは「差」を出しにくいものです。「この白T、何が違うの?」と聞かれても、一言で言えません。素材も縫製もコストも、自社で握ってこそ、ようやく品質と価格のバランスが取れます。
中途半端に真似すると、確実に失敗します。商品だけ真似しても売れません。価格だけ寄せても赤字になります。なぜなら、SPA型は“構造”で勝ってるからです。現場レベルのオペレーションから、本部のMD、ITシステム、工場との連携まで、すべてが仕組みで設計されています。
「在庫が余ってもセールすればいい」「客足が減ったらプロモーションで戻す」そんな甘い思考は、一瞬で見透かされます。顧客は、「普通でいいけど、雑さは嫌」という我侭なところがあります。
「ベーシックカジュアルSPA型」とは、地味で堅実だけどとても難しいものです。派手さはないですが、仕組みの完成度は徹底的に作り込まないと勝てない。そんな世界です。
自社ではそこまで仕組み化できないと思われるならOnebeatがおススメです。
Onebeatは、TOC(制約理論)に基づくAIアルゴリズムを活用し、過剰在庫と欠品を同時に解消する在庫最適化クラウドサービスです。全店舗・全SKUの在庫をリアルタイムで最適化し、売上・利益の最大化を支援します。従来の在庫管理手法に代わる最新技術で、サプライチェーン全体の効率化を実現します。